博多港から壱岐へ向かう海上ルートは、九州郵船のジェットフォイル「ヴィーナス」「ヴィーナス2」が30年以上にわたって担ってきた。約1時間10分で郷ノ浦港、約1時間20分で芦辺港に到着するこの高速便は、長崎県壱岐市と九州本土を結ぶ最速の海上交通である。本記事は、この博多〜壱岐ジェットフォイル航路の2026年5月時点の完全ガイドであり、同時に2029年6月に引き渡される予定の新型「川崎ジェットフォイル」に関する公式発表ベースの最新情報を網羅する。
2025年11月21日、川崎重工業のプレスリリースによれば、川崎重工・九州郵船・独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)は、博多〜壱岐〜対馬航路に投入される新型ジェットフォイル1隻の建造契約を締結した。九州郵船にとって1991年就航の「ヴィーナス」以来、約35年ぶりの新造ジェットフォイルであり、川崎重工としても2017年の東海汽船「セブンアイランド結」以来、8年ぶりの受注となる。航海速力43ノット、定員252名、波高3.5mまで安定航走可能なこの新型船は、2029年6月の引渡を予定している。本記事ではこの歴史的契約の意味、技術仕様、就航までのタイムライン、そして2026年4〜6月に進行中の重要な現実までを、公式一次情報のみを根拠に詳細解説する。
2026年5月時点で博多〜壱岐航路は船員不足を背景とした1隻体制の臨時配船に変更されており、4月1日から6月30日までの期間は便数が大幅に減少している。新型船投入による運航体制刷新まで約3年を残すこの時期、現行ヴィーナス系統に乗船できる機会は限られた選択肢の一つとなっている。日経新聞は本契約を「九州郵船、新ジェットフォイル発注 川崎重工に」として報じており(2025年11月21日付)、業界専門メディアの鉄道プレスネットでは「九州郵船 新造ジェットフォイル38年ぶりに導入へ」と報じられている。
2025年11月21日、九州郵船と川重が結んだ契約の意味
2025年11月21日、川崎重工業株式会社はプレスリリースを通じて、九州郵船株式会社および独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)の共同発注による超高速旅客船「川崎ジェットフォイル」1隻の建造契約を締結したことを発表した。建造は川崎重工神戸工場で行われ、引渡は2029年6月の予定である。本契約は単なる船舶受注ではなく、日本の離島航路維持にとって複数の意味を持つ重要な転換点である。
「ジェットフォイル空白」と離島航路維持の構造的課題
日本国内で運航されているジェットフォイル(全没翼型水中翼船)の大半は、1980年代後半から1990年代前半にかけて建造された船舶である。九州郵船の「ヴィーナス」も1991年就航で、既に船齢35年に達する。船齢の高齢化は整備コストの増大、部品調達の困難化、運航効率の低下を招き、離島と本土を結ぶ生命線航路の維持を構造的に困難にしてきた。本契約はこの「ジェットフォイル空白」の解消に向けた業界全体の動きを象徴している。
JRTT共同発注スキームの活用
本契約の発注主体は九州郵船単独ではなく、JRTTとの共同発注である。JRTTは離島航路維持を含む海上交通インフラの整備を公的に支援する独立行政法人であり、共有建造制度を通じて船社の資金負担を分散する役割を担う。2020年に東海汽船向けに引き渡された「セブンアイランド結」も同様のスキームで建造されており、本契約はその系譜に連なるものである。離島航路維持を民間単独で担うことの限界を、公的スキームで補完する構造が定着しつつあると言える。
なぜ今このタイミングなのか
後述するが、2026年4月1日から6月30日までの3か月間、九州郵船は博多〜壱岐〜対馬のジェットフォイル運航を2隻体制から1隻体制の臨時配船へと縮小せざるを得なくなっている。直接的な理由は船員人員の不足であるが、その背景には現行船の老朽化と運航維持コストの上昇がある。新型船投入の決定は、こうした構造問題への抜本対応として位置付けられる。
新型船スペック完全解剖(27.4m / 252名 / 43kt / VERICOR TF50B)
川崎重工が公表した新型「川崎ジェットフォイル」の主要諸元は以下の通りである。これらの数値は、九州郵船が現在運航している「ヴィーナス」「ヴィーナス2」と比較しても遜色なく、むしろ最新技術によって耐航性と輸送効率を底上げした設計となっている。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 全長 | 27.4 m(水中翼降下時) |
| 型幅 | 8.5 m |
| 旅客定員 | 252名 |
| 航海速力 | 43ノット |
| 最高時速 | 80 km/h 以上 |
| 主機 | VERICOR TF50B ガスタービン × 2基 |
| 推進方式 | ウォータージェット(毎秒3トン噴射) |
| 耐航性 | 波高 3.5 m でも安定航走 |
新型川崎ジェットフォイルの全長は27.4メートル、型幅は8.5メートルである。旅客定員は252名と、現行ヴィーナスの輸送力を維持しつつ、安全性を高める客席レイアウト変更が行われる。航海速力43ノット、最高時速80km/h以上の高速性能により、博多〜壱岐間を1時間10分前後で結ぶ運航パターンが継承される見込みだ。
耐航性は波高3.5メートルまで安定航走と公表されており、対馬海峡の冬季風浪条件下でも欠航率を抑える設計となっている。ウォータージェット推進は毎秒3トンの水を噴射することで前進力を得る方式で、スクリュー船と異なり航行中は船体が水中翼で完全に持ち上げられるため、波の影響を直接受けにくい構造になっている。
なぜ「8年ぶり」「35年ぶり」と二段の歴史的意義があるのか
本契約の歴史的意義は、川崎重工の側と九州郵船の側で異なる二つの時間軸で語られる。混同を避けるため、両者を明確に整理する必要がある。
川崎重工にとって「8年ぶり」の新造船受注
川崎重工は1980年代から国内向けジェットフォイル建造の主力造船所であり、ボーイング社製のオリジナル設計をライセンス取得して以来、国内ジェットフォイルの大半を製造してきた。直近の受注は2017年の東海汽船向け「セブンアイランド結」(2020年竣工)であり、本契約は川崎重工にとって8年ぶりのジェットフォイル新造船受注となる。空白期間に造船業界では川崎重工以外のジェットフォイル製造能力が事実上失われており、本契約は国内ジェットフォイル建造インフラの維持という意味でも重要である。
九州郵船にとって「約35年ぶり」の新造
一方、九州郵船にとっては、現行「ヴィーナス」が就航した1991年以来の新造ジェットフォイル投入となる。九州郵船にとっては約35年ぶりの新造船受注である。船齢35年の老朽船を運航し続けることの困難は、整備コストや欠航リスクの観点から無視できない水準に達しており、新造船投入は経営判断としても妥当性を持つ。
「38年ぶり」という別表現について
一部メディアでは本契約を「38年ぶり」と報じている。これは、九州郵船が高速船事業に参入した1988年の初代ジェットフォイル「ビーナス」(初代)以来の新造、という起点の取り方に基づく表現である。鉄道プレスネットなど業界メディアでこの表現が用いられているが、本記事では現行運航船「ヴィーナス」(1991年)を基準に「約35年ぶり」と記載する。引用する際は出典を明示する。
VERICOR TF50B ガスタービンエンジンとは何か
新型川崎ジェットフォイルの主機関にはVERICOR TF50B ガスタービンエンジンが2基搭載される。VERICORは航空機エンジンの技術を船舶用に転用したガスタービンを製造する米国企業で、ヘリコプターエンジン技術の流れを汲む高出力・軽量・小型化を特徴とする。
ガスタービンエンジンは、ディーゼル機関と比較して同出力で大幅に軽量・小型化できる利点があり、ジェットフォイルのような高速航行船に適している。一方で燃料消費量はディーゼルより多いため、長距離航路ではコスト効率で不利になるが、博多〜壱岐〜対馬のような中距離高速航路では適切な選択となる。新型エンジンの採用により、現行船と比較して整備性・信頼性が向上することが期待される。
旅行者の視点では、エンジン技術の詳細を知る必要はないが、「最新のガスタービン技術により、現行船よりも安定した運航が期待される」という結論を押さえておけば十分である。波高3.5mまで安定航走できる耐航性は、このエンジン出力と船体設計の組み合わせによって実現される。
既存ヴィーナス/ヴィーナス2との比較
現行で博多〜壱岐〜対馬を運航しているジェットフォイルは「ヴィーナス」(1991年就航)と「ヴィーナス2」の2隻である。新型川崎ジェットフォイルとの主な違いを以下に整理する。
| 項目 | ヴィーナス/ヴィーナス2 | 新型川崎ジェットフォイル |
|---|---|---|
| 就航年 | 1991年以降 | 2029年6月予定 |
| 船齢 | 約35年 | 新造 |
| 定員 | 約260名前後 | 252名 |
| 航海速力 | 43ノット | 43ノット |
| 主機 | 従来型ガスタービン | VERICOR TF50B × 2基 |
| 耐航性 | 波高3.5m程度 | 波高3.5m安定航走 |
新型船は速力こそ現行船と同等の43ノットを維持するが、最新のエンジン技術と客席レイアウトの刷新によって、安全性と快適性が向上することが見込まれる。九州郵船から既存船の退役予定について公式な発表はないが、新造船投入は運航体制の世代交代を象徴するタイミングと位置付けられる。
JRTTとの共同発注スキーム解説
独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)は、鉄道・船舶・港湾・空港など交通インフラの整備を公的に支援する組織である。船舶分野では「共有建造制度」を通じて、離島航路を担う民間船社の新造船建造を資金面でサポートしてきた。
共有建造制度の仕組みは、JRTTが新造船を所有し、それを船社に長期共有という形で提供することで、船社の初期投資負担を抑える点にある。船社はJRTTに対して長期にわたって使用料を支払う形となるため、新造船投入のハードルが大幅に下がる。本契約も九州郵船とJRTTの共同発注であり、共有建造制度の枠組みで進められる。
離島航路は需要が限定的で採算性が低い一方、住民の生命線として欠かせない。民間船社単独での新造船投入は容易ではないため、こうした公的スキームが離島航路維持の鍵を握っている。本契約は、その重要性を改めて浮き彫りにした事例と言える。
神戸工場での建造プロセス予測タイムライン(2026-29)
新型川崎ジェットフォイルの建造は、川崎重工神戸工場で行われる。神戸工場は川崎重工の主要造船拠点の一つで、潜水艦や特殊船を含む多様な船舶を建造してきた実績を持つ。引渡が2029年6月であることから、概ね以下のようなタイムラインが想定される。
| 時期 | 段階 |
|---|---|
| 2025/11/21 | 建造契約締結(実施済み) |
| 2026年 | 基本設計・部材調達 |
| 2027年 | 起工式(時期未発表) |
| 2028年 | 進水式(時期未発表) |
| 2029年6月 | 引渡・就航 |
起工式・進水式の具体的な日程、および船名は2026年5月時点で未発表である。九州郵船から命名公募の予定発表もまだない。本記事では、これらの最新情報が発表され次第、末尾の「最新情報トラッカー」セクションに随時追記する。
2026年4-6月の「1隻体制縮小運航」が示すもの
本記事執筆時点(2026年5月)において、博多〜壱岐〜対馬航路を旅行する人が必ず知っておくべき最重要事実がある。2026年4月1日から6月30日までの3か月間、九州郵船はジェットフォイルを2隻体制から1隻体制の臨時配船へと縮小している。この縮小運航は、新造船投入が間に合わなかった現実を象徴する出来事である。
縮小運航の発表内容
2026年3月6日、九州郵船は公式に「2026年4月1日〜6月30日の3か月間、博多〜壱岐〜対馬のジェットフォイル運航を1隻体制に変更する」旨を発表した。直接的な理由は船員人員の不足であり、安全運航を最優先する判断として下された。この期間中はジェットフォイルの便数が大幅に減少するため、利用予定者は早めの予約が必須となる。
船員不足問題と新造船投入の関係
船員不足は離島航路全体の構造問題であり、九州郵船に限った話ではない。海技士資格を持つ運航乗組員の確保は年々困難になっており、若手の参入が少ない現状が続いている。新造船「川崎ジェットフォイル」の投入は、こうした人員制約のなかで運航維持を可能にする抜本対応として位置付けられる。新型船は最新の操船支援システムを搭載することで、必要乗組員数の最適化と運航効率の向上を実現する可能性がある。
つまり、2026年新型船投入決定は、単なる船齢更新ではなく、老朽化と人員制約という二重の構造問題への抜本対応と捉えるべきである。Phase 2の旅行者にとって、この文脈を踏まえた上で旅行計画を立てることが重要となる。
博多港〜壱岐 現行料金体系(2026/4/1-7/31)
九州郵船が公表している博多〜壱岐ジェットフォイルの料金は、2026年4月1日から7月31日まで適用される運賃表に基づく。詳細な数値は九州郵船公式運賃ページ(https://www.kyu-you.co.jp/price/8.html)で公開されている公式PDFを必ずご確認いただきたい。
主な区分は以下の通り。
- 大人片道(博多〜郷ノ浦/芦辺)
- 小人片道(同上)
- 往復割引運賃(14日以内復路使用)
- 学割(学生証提示)
- 身体障害者割引
- 燃料調整金(変動)
運賃は3か月ごとに改定される場合があり、特に燃料調整金は燃料油価格の変動を反映して定期的に見直される。2026年8月1日以降の運賃は本記事執筆時点で未公表であるため、ご利用予定の方は公式サイトで最新情報をご確認いただきたい。
予約方法とインターネット予約の現状
九州郵船の予約方法は、便種によって以下のように分かれている。
ジェットフォイル便:インターネット予約可
ジェットフォイル便(ヴィーナス/ヴィーナス2、および将来の新型船)は、九州郵船公式予約サイト(https://www.kyu-you.co.jp/ticket/)からインターネット予約が可能である。予約変更も一定回数までWebで対応できる。座席指定や障害者割引もWebで申請可能だが、繁忙期は早めの予約が望ましい。
フェリー便:電話予約
フェリー便はインターネット予約に対応しておらず、各港の予約窓口に電話する必要がある。壱岐エリア関連の予約電話番号は以下の通り。
| 窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 九州郵船 本社 | 092-281-0831 | 平日 9:00-17:30 |
| 博多港 | 092-281-6636 | 毎日 9:00-17:00 |
| 唐津東港 | 0955-75-7750 | 毎日 9:00-17:30 |
| 郷ノ浦港 | 0920-47-0003 | 営業時間内 |
| 芦辺港 | 0920-45-3011 | 10:30-11:20は受付不可 |
| 印通寺港 | 0920-44-5015 | 営業時間内 |
博多港アクセス・乗船手順
博多港国際ターミナルは福岡市博多区沖浜町14-1に位置する。福岡空港・博多駅・天神からのアクセス方法を以下に整理する。
- 福岡空港から:地下鉄空港線で中洲川端駅まで約8分、徒歩約15分または路線バスで約10分
- 博多駅から:地下鉄空港線で中洲川端駅まで約3分、徒歩約15分
- 天神から:徒歩約20分または路線バスで約10分
- マイカー:博多湾岸通り沿い、ターミナル併設駐車場あり(有料)
チェックインは出航時刻の30分前までに完了することが推奨される。手荷物は機内持込サイズ相当(縦・横・高さの合計が115cm以内)が無料、大型荷物は事前手続きで航送可能だが、ジェットフォイル便では大型荷物の搭載に制限がある場合がある。詳細は予約時に確認することが望ましい。
揺れと所要時間:天候別運航実績
博多〜郷ノ浦の標準所要時間はジェットフォイル便で約1時間10分、博多〜芦辺は約1時間20分である。フェリー便ではこの所要時間が約2時間20分(郷ノ浦行き)に伸びる。
新型川崎ジェットフォイルは波高3.5メートルまで安定航走する設計だが、現行のヴィーナス/ヴィーナス2も同等の耐航性を持つ。ただし対馬海峡は冬季から春先にかけて風浪が強まる時期があり、波高が運航限界を超えると欠航となる。欠航時は次便への振替または払い戻しが可能で、振替便に空きがあれば追加料金なく対応される。
船酔いが心配な方は、出航前に酔い止め薬を服用する、座席は中央付近を選ぶ、視線を遠方に向ける、といった一般的な対策が有効である。ジェットフォイルは水中翼で船体が完全に浮上した状態で航行するため、フェリーよりも揺れは少ない傾向にある。
フェリーとの比較(時間・運賃・体験価値)
博多〜壱岐の海上ルートを選ぶ際、ジェットフォイル便とフェリー便のどちらが適しているかは、目的と条件によって変わる。以下に主要な比較項目を整理する。
| 項目 | ジェットフォイル | フェリー |
|---|---|---|
| 所要時間(博多〜郷ノ浦) | 約1時間10分 | 約2時間20分 |
| 運賃水準 | 高い | 安い |
| 車両搭載 | 不可 | 可(要予約) |
| 船酔い | 少ない傾向 | 船舶により変動 |
| 体験価値 | 速さ・効率 | 船旅情緒・甲板からの景色 |
| インターネット予約 | 可 | 不可(電話のみ) |
日帰り旅や短時間の出張ではジェットフォイル、車両を持ち込む長期滞在や予算重視の旅ではフェリーが適している。週末の家族旅行などでマイカーごと壱岐に渡り、レンタカー代を節約しながら島内を自由に巡るプランも人気がある。
唐津東港〜印通寺ルート:博多経由以外の選択肢
博多港以外にも、佐賀県の唐津東港から壱岐の印通寺港を結ぶフェリー航路がある。所要時間は約1時間40分で、博多港経由のフェリーよりも短時間で壱岐に到着できる。この航路は九州郵船と壱岐・対馬フェリー株式会社の2社が運航しており、運賃は別途確認が必要である(壱岐・対馬フェリー公式:https://iki-tsushima.com/price/)。
福岡市内からのアクセスは博多港のほうが容易だが、佐賀県西部や長崎県北部からは唐津東港のほうが近い場合がある。マイカー利用で壱岐に渡る場合は、出発地からの陸路距離も含めてルートを検討するとよい。
郷ノ浦港・芦辺港・印通寺港:壱岐側3港の使い分け
壱岐島には主要な旅客港が3つある。それぞれの位置と特徴を理解すると、目的地に応じた最適な港を選べる。
郷ノ浦港(島南西部)
郷ノ浦港は壱岐の表玄関と呼ばれる主要港で、長崎県壱岐市郷ノ浦町本村触に位置する国指定重要港湾である。博多港からのジェットフォイル便とフェリー便が発着する。郷ノ浦市街地に近く、観光案内所・売店・コインロッカー・レンタカー受付窓口が整備されている。臨時駐車場はフェリーターミナルから約700mの位置にあり、長期駐車に対応している。壱岐市中心部・湯本温泉・辰の島へのアクセス起点として最も使われる港である。
芦辺港(島北東部)
芦辺港は壱岐市芦辺町芦辺浦に位置する。博多港からのジェットフォイル便とフェリー便が一部発着する。2024年4月にジェットフォイル待合所が新設され、施設が刷新された。月讀神社や壱岐神社、東部の観光地に近く、原の辻遺跡へのアクセスにも便利である。芦辺港から市街地までは徒歩圏内で、駐車場も整備されている。
印通寺港(島南東部)
印通寺港は壱岐市石田町印通寺浦に位置し、佐賀県の唐津東港からフェリーで結ばれる。所要時間は約1時間40分で、博多港経由よりも短時間で壱岐に到着できる場合がある。九州郵船と壱岐・対馬フェリー株式会社の2社が運航し、車両航送にも対応している。佐賀県西部や長崎県北部からの旅行者には便利な選択肢である。
2026-2029 航路変化予測タイムライン
博多〜壱岐航路の今後の見通しを、本記事執筆時点(2026年5月)の公式情報に基づいて時系列で整理する。
| 時期 | 事象 |
|---|---|
| 2026年4-6月 | JF 1隻体制縮小運航中(船員不足) |
| 2026年7-12月 | 2隻体制復帰の見込み(公式発表待ち) |
| 2026-27年 | 新型船設計・基本部材調達 |
| 2027年 | 起工式予定(時期未発表) |
| 2028年 | 進水式予定(時期未発表) |
| 2029年6月 | 新型川崎ジェットフォイル引渡・就航 |
| 2029年以降 | 新旧3隻体制の移行期(公式発表待ち) |
2026年5月時点の旅行者にとって、今すぐ予約すべきは現行のヴィーナス/ヴィーナス2便である。4-6月の縮小運航期間中は便数が限られるため、特に早めの予約が必須となる。新型船就航前の数年間は、35年の歴史を持つヴィーナス系統に乗船できる貴重な期間でもあり、ジェットフォイル船舶史に関心がある旅行者にとっては記念すべきタイミングと言える。
新型船投入が壱岐の観光・経済にもたらす影響
新型川崎ジェットフォイルの就航は、単なる交通インフラの更新を超えて、壱岐島の観光・経済にも複数の影響をもたらすと考えられる。離島観光は本土からのアクセス利便性に大きく依存するため、運航の安定化と輸送力の維持は島の経済にとって死活的に重要である。
運航安定化による観光需要の維持
波高3.5mまで安定航走できる耐航性は、冬季から春先にかけての欠航リスクを低減する可能性がある。欠航は観光客にとって最大の不安要素であり、運航の安定化は壱岐への観光需要を底支えする効果がある。特に湯本温泉や辰の島クルーズなど、季節を問わず楽しめる観光資源を抱える壱岐にとって、通年の安定運航は重要である。
インバウンド需要への対応
壱岐は日本本土と対馬・釜山方面を結ぶ中継地点としても位置付けられる。新型船投入により、博多経由の旅程の信頼性が向上すれば、海外からの訪日観光客が壱岐に立ち寄る選択肢が広がる。多言語対応や予約システムの高度化が進めば、インバウンド需要の取り込みも進む可能性がある。
島民生活への波及
離島航路は観光だけでなく、島民の日常生活、通院・通学・物流の生命線でもある。新型船投入による運航の安定化は、住民生活の質にも直接的に貢献する。本契約がJRTTとの共同発注で進められた背景には、こうした公共性への配慮がある。
旅行者は今、何を予約すべきか
2026年5月時点の旅行者にとって、本記事の情報を踏まえた具体的なアクションは以下の通りである。
2026年4-6月の旅行計画
この期間はジェットフォイルが1隻体制で運航しているため、便数が大幅に減少している。週末や連休はもちろん、平日でも早めの予約が必須となる。ゴールデンウィーク期間中は特に競争が激しく、予約開始日に確保することが推奨される。フェリー便も代替手段として活用したい。
2026年7月以降の見通し
7月以降の運航体制については本記事執筆時点で公式発表が出ていない。2隻体制への復帰が望まれるが、船員確保の状況次第で長期化する可能性も否定できない。最新情報は九州郵船公式サイトでご確認いただきたい。
2027-2029年:新型船就航までの「最後のヴィーナス時代」
新型川崎ジェットフォイルの引渡は2029年6月であり、それまでは現行ヴィーナス/ヴィーナス2が主役を務める。船舶愛好家にとっては、35年の歴史を持つ船に乗船できる貴重な期間でもある。記録撮影や乗船体験の記念旅行を計画する旅行者には、この数年間が最後の機会となる可能性がある。
最新情報トラッカー(随時更新)
川崎ジェットフォイル新造船に関する公式発表は今後随時行われる見込みである。本トラッカーでは、確認できた最新情報を時系列で記録する。
| 日付 | 更新内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 2025/11/21 | 九州郵船・JRTTと川崎重工が建造契約締結 | 川崎重工プレスリリース |
| 2026/3/6 | 九州郵船が2026/4/1-6/30の1隻体制縮小運航を発表 | フネコ |
| 船名命名時 | (未発表) | – |
| 起工式 | (未発表) | – |
| 進水式 | (未発表) | – |
| 2029/6予定 | 新型川崎ジェットフォイル引渡・就航予定 | 川崎重工プレスリリース |
よくある質問
新造ジェットフォイルの船名は決まっていますか?
2026年5月時点で船名は未発表です。九州郵船による命名公募・命名式の予定発表もまだありません。船名・進水式・起工式の最新情報は本記事末尾の「最新情報トラッカー」を随時更新します。
新型船は何ノットで航行しますか?
航海速力43ノット、最高時速80km/h以上です。VERICOR TF50Bガスタービンエンジン2基を搭載し、ウォータージェット推進で毎秒3トンを噴射します。波高3.5mまで安定して航走できる設計です。
既存のヴィーナスとヴィーナス2は引退しますか?
九州郵船から公式な退役発表はありません。ただし、新造船の投入は1991年就航のヴィーナス以来約35年ぶりであり、運航体制の世代交代を象徴するタイミングと言えます。
波の高い日でも欠航しませんか?
新型川崎ジェットフォイルは波高3.5mまで安定航走できる設計です。ただし現行ヴィーナス・ヴィーナス2も同等の運航条件で欠航する場合があります。最新の運航情報は九州郵船公式サイトおよび予約電話でご確認ください。
2026年に新型船に乗船できますか?
新型川崎ジェットフォイルの引渡は2029年6月予定です。2026年〜2029年5月までは現行のヴィーナス/ヴィーナス2が運航しています。なお2026年4月1日〜6月30日は船員不足のため1隻体制での臨時配船となっています。
博多〜壱岐の所要時間と料金はいくらですか?
ジェットフォイルで博多港〜郷ノ浦港まで約1時間10分です。料金は2026年4月1日〜7月31日適用の公式運賃表に基づきます。最新の運賃・時刻表は九州郵船公式サイト(kyu-you.co.jp)でご確認ください。
予約はどこからできますか?
九州郵船公式予約サイト(kyu-you.co.jp/ticket/)からインターネット予約できます。インターネット予約はジェットフォイル便のみが対象で、フェリー便は電話予約となります。各港の予約電話は本記事の予約方法セクションをご覧ください。
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※本記事に掲載している写真はすべてイメージであり、実際の運航船舶・港湾・観光施設の現状と異なる場合があります。最新情報は各運航会社・施設の公式発表をご確認ください。
※運賃・時刻表は2026年5月時点の公式情報に基づきます。3か月ごとに改定される場合があるため、ご利用前に必ず公式サイトでご確認ください。
※掲載写真はイメージです。














