五島列島は長崎県の西方沖に点在する約140の島々で構成され、主島の福江島を中心に若松島・中通島・奈留島などからなる。16世紀にキリスト教が伝わり、江戸時代の禁教期には「潜伏キリシタン」が信仰を守り続けた。その歴史的背景が評価され、2018年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産に登録された。長崎港からジェットフォイルで約80〜90分、フェリーで約3時間弱でアクセスできる。本記事では、長崎発の五島列島1泊2日モデルコースを解説する。
五島列島1泊2日コースの基本設計
1泊2日のベースとなる島は「福江島」が最もおすすめだ。長崎港からの便数が最も多く、島内に宿泊施設・飲食店・観光スポットが集中している。五島市の市街地(福江市街)に宿を取り、レンタカーで島内を巡るのが基本スタイルだ。
長崎〜五島のフェリー・ジェットフォイルの詳細は長崎〜五島列島フェリー・ジェットフォイル完全ガイドで確認してほしい。九州全体のフェリー情報は九州・離島フェリー・ジェットフォイルガイドも参照できる。
1日目:教会巡りと福江島の歴史・文化に浸る
| 時間 | 行動 |
|---|---|
| 08:00〜08:30 | 長崎港出発(ジェットフォイル) |
| 09:30〜10:00 | 福江港(五島市)到着・レンタカー受取 |
| 10:00〜11:30 | 堂崎天主堂(五島最古の天主堂・資料館) |
| 11:30〜12:00 | 五島市街周辺でランチ(五島うどん・魚料理) |
| 12:00〜13:30 | 石田城跡(五島藩主の居城・五島観光歴史資料館) |
| 13:30〜15:00 | 武家屋敷通り(江戸時代の街並みが残る) |
| 15:00〜17:00 | 水ノ浦教会・楠原教会(隠れキリシタンの歴史を体感) |
| 17:00〜 | 福江市街の宿にチェックイン・夕食 |
2日目:大瀬崎灯台・鬼岳・魚津ヶ崎公園を巡る
| 時間 | 行動 |
|---|---|
| 07:30〜09:30 | 大瀬崎灯台(断崖に立つ九州最西端の灯台) |
| 09:30〜11:00 | 鬼岳(標高315mの草原火山・五島の象徴) |
| 11:00〜12:00 | 魚津ヶ崎公園(椿と海の絶景) |
| 12:00〜13:00 | 昼食(五島うどん・アゴ出汁料理) |
| 13:00〜14:30 | 江上天主堂(潜伏キリシタンの里・重要文化財) |
| 14:30〜15:30 | 福江港で土産購入(五島うどん・五島の塩・かんころ餅) |
| 16:00〜16:30 | 福江港出発(ジェットフォイルまたはフェリー) |
| 17:30〜19:00 | 長崎港帰着 |
五島列島の教会群:世界遺産の見どころ
五島列島の教会群は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産に登録されており、その中核をなすのが福江島を含む五島列島各地の教会だ。
堂崎天主堂(どうざきてんしゅどう)
1908年に完成した五島最古の天主堂で、レンガ造りの外観が美しい。現在は資料館として公開されており、禁教時代の信仰の歴史・殉教者の記録・当時の信仰具などを展示している。五島キリシタン史の入門として最適なスポットだ。入館料は公式サイトで確認を。
江上天主堂(えがみてんしゅどう)
世界遺産の構成資産のひとつで、国の重要文化財にも指定されている。奈留島に位置するが、福江島からの日帰りフェリーで訪れることができる(日程に余裕が必要)。白木造りの内部は柔らかな光が差し込み、祈りの空間を体感できる。見学は事前申請や礼拝時間外に限定される場合があるため、最新のルールを必ず確認してほしい。
水ノ浦教会・楠原教会
福江島内に複数点在するゴシック様式の木造教会。島の集落に静かに佇む教会の風景は、五島の原風景を感じさせる。現在も地元の信者が祈りを捧げる現役の礼拝堂であるため、見学の際は礼拝の妨げにならない静粛なマナーが求められる。
大瀬崎灯台と鬼岳:五島の絶景スポット
大瀬崎灯台(おおせざきとうだい)
福江島西端の断崖に立つ九州最西端の灯台で、灯台まで続く断崖の光景は「日本の灯台50選」にも選ばれた絶景だ。駐車場から灯台まで遊歩道(片道約20〜30分)を歩く。風が強い日は足元に注意が必要で、草地の遊歩道は雨天時に滑りやすい。夕日の名所としても知られており、夕方に訪れると東シナ海に沈む夕日を堪能できる。
鬼岳(おにだけ)
標高315mのなだらかな草原火山で、山頂からは福江島の全景と東シナ海を一望できる。登山口から山頂まで約1時間の往復コース。山肌を覆う緑の草原と青い海のコントラストが美しく、秋は芒(すすき)の穂が金色に輝く。体力に自信のない方でも比較的登りやすい山だ。
五島のグルメ:五島うどんとアゴ出汁
五島列島のグルメの代名詞は「五島うどん」だ。椿油を使いながら手延べされる細く弾力のある麺が特徴で、「地獄炊き」と呼ばれる熱湯から引き上げてアゴ(トビウオ)出汁のつけだれで食べるスタイルが五島の家庭の味だ。福江市街の飲食店や道の駅で広く提供されており、お土産の乾麺も人気がある。
アゴ出汁は長崎・五島地方の独特の食文化で、トビウオを焼いて乾燥させた「焼きアゴ」からとる出汁はすっきりした上品な風味が特徴だ。うどんだけでなく、雑煮・鍋・ラーメンにも使われている。
「かんころ餅」はさつまいも(かんころ)を使った五島の郷土菓子。素朴な甘みとモチモチとした食感が特徴で、お土産として喜ばれる。福江港の売店や市街の菓子店で購入できる。
五島列島観光の持ち物と移動のコツ
五島列島の観光を快適にするために、移動と持ち物について確認しておこう。福江島内はレンタカーが最も効率的な移動手段だが、原付バイクのレンタルも選択肢のひとつだ。島の幹線道路は整備されているが、大瀬崎・江上天主堂方面の山道・林道は細い箇所があるため注意が必要だ。
教会見学と自然観光の両方を予定している場合、服装は動きやすい格好と軽いジャケットを用意しよう。鬼岳や大瀬崎灯台へのトレッキングでは歩きやすいシューズが必須だ。海岸エリアを歩く場合は、岩場での転倒防止のためサンダルは避けてほしい。
よくある質問
五島列島は1泊2日で楽しめますか?
福江島に絞れば1泊2日で十分楽しめます。教会巡り・大瀬崎灯台・鬼岳・五島グルメを組み合わせた充実した旅程が組めます。ただし中通島・若松島など他の島も訪れたい場合は2泊以上が必要です。
教会を見学する際のマナーはありますか?
五島の教会の多くは現在も信者が礼拝する現役の礼拝堂です。礼拝の時間帯は見学を遠慮する、静粛を保つ、撮影禁止エリアを守るなどのマナーが求められます。各教会によってルールが異なるため、訪問前に五島市観光協会や各教会の公式情報を確認してください。
江上天主堂は福江島から日帰りで行けますか?
江上天主堂は奈留島にあります。福江港から奈留島への定期フェリーを使えば日帰りで訪れることは可能ですが、便数が限られているため時刻表を事前によく確認してください。1泊2日の日程内に奈留島まで含めるのはタイトになる場合があります。
五島うどんはどこで食べられますか?
福江市街の飲食店・道の駅・観光施設の食堂など、島内の多くの場所で提供されています。「地獄炊き」スタイルで提供する専門店もあります。乾麺のお土産は福江港の売店や市街のスーパーでも購入できます。
五島列島は何月に行くのがおすすめですか?
春(3〜5月)は椿の開花・新緑が美しく、秋(10〜11月)は鬼岳の芒が見ごろです。夏(7〜8月)は海水浴・シュノーケリングが楽しめますが台風シーズンでもあります。梅雨期(6月)は雨が多いため屋内型の観光(教会・資料館)中心に組み立てるのが得策です。
本記事に掲載している写真はすべてイメージであり、実際の運航船舶・港湾・観光施設・宿泊施設の現状と異なる場合があります。
運賃・時刻表・営業情報は2026年5月時点の公開情報に基づきます。改定される場合があるため、ご利用前に必ず公式サイトでご確認ください。
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